



この建築現場の棟梁を任されています。じつはこの家のお施主さんはクロス屋さん。以前、やはり私が棟梁をつとめた家のクロスを貼りに行って、「自分の家を建てる時にはこの棟梁に頼もう」と、思ってくれたのだそうです。嬉しいかって?そりゃあそうですよ。大工冥利に尽きるというものです。クロス屋さんは最後の仕上げ担当だから、大工の腕の良し悪しは全部見ていますからね。嬉しいけれど、テストに臨む中学生みたいな気分で、夜眠れないです(笑)
冗談はさておき、この仕事をしていると眠れないというのは本当です。だって、これだけ長くつくったものが残る仕事も少ないでしょ?だからお引渡しをしてからも「満足して住んでくださっているかな」「どこか不具合はないかな」って、ずっと心配なんです。それなのになぜ続けているんでしょうね。バカだから?(笑)・・ただ、性分として、やり始めたらやめられないというのはありますね。どこまで行けば完璧なのかを知りたいというか。その答えは死ぬまで見つからないような気もするんですが、だからこそもっと先に進みたくなる。大工の仕事ってそういうものかもしれませんね。



年齢?ないしょです(笑)。ずっと大工をしています。大工以外の仕事をしようと思ったことはないですね。そんなに器用じゃないし、これしかできないって思っています。
私が大工として心がけているのは、できるだけお客様の要望に近づける努力をするということです。お客様は家づくりに対してたくさんの夢を持っておられるでしょ。でも予算や土地の形や、いろいろなことがあって、100%思い通りにはなかなか行かないですよね。その時に「できません」って頭ごなしに言ったりしたら、お客様の気持ちがしぼんじゃう。頑張って大金をかけて家づくりをするのに、それでは申し訳ないですから。
私はリフォームもよく担当するのですが、新築以上に制限が多くて、なかなかお客様の希望通りにならない。そんな時でもできる限り努力するようにしています。人間不思議なもので、そうやってなんとかしたいと思っていると、どこからか知恵が出てくるものでね。いいアイデアを思いつくと、自分自身も嬉しくなります。
そうして出来上がった時に、お客様が満足そうな笑顔を見せてくださるとすごく嬉しくて、やっぱり大工でよかった、また頑張ろうと思うんです。


三人兄弟で仲良く大工をしています。仕事の呼吸はばっちり。あまりしゃべらなくても、お互いが何を考えているかすぐわかるので、効率がいいです。それに馴れ過ぎて、他の現場に一人で行った時に勘が狂うのが困りものですけど(笑)
最初に次男の政数が親方の下に弟子入りし、修業を積んで独立したところに、弟たちが入りました。もともと三男の博は左官、四男の健三はサラリーマンだったのに、気がつくと全員大工になっていました。仲がいいと言うか、それとも兄貴の仕事がよっぽどよく見えたのでしょうか(笑)
いまの時代の家づくりは、じっくりと時間をかけて建てることが許されない場合が多いのですが、オールハウスでは逆に「そういう仕事をしてほしいんだ」と言ってくださるので有難いです。やはり大工である以上、自分たちが積んできた修業を生かせる場があるということは、すごくやりがいにつながりますから。これからも三人で腕を奮っていい家を建てて、休みの日には一緒に釣りに行けたら言うことはないです(笑)


左官になって30年になります。17歳年上の兄が師匠で、それはもう厳しく仕込まれました。左官の仕事は季節や天候に激しく左右されます。夏は早く乾きすぎるし、冬は反対になかなか乾かない。お天気と相談しながら、当時は塗料の配合も自分で一からやっていました。兄からは「3年で一人前になれ」と言われましたが、実際にはなかなか。とにかく体に覚えさせないといけないのでね。だから私はいまでも修業中だと思っています。
ただ、最近はそんな時間のかかる修業を嫌う人が多くて、左官のなり手も減りました。他業種だった人が左官の仕事もする、という現場もあるようですが、私は内心心配です。私たち左官にとっては塗ったところが割れるというのは一番の恥なんです。だから、そういうことのないように念には念を入れて仕事をします。みんながそういう気持ちを持っていてくれればいいのですが、現在のような状況だとそういう精神風土は育たないんじゃないかなあ・・残念なことです。
でもね、最近30代の人が私と一緒に仕事をするようになったんですよ。本格的な左官の修業に一生懸命取り組んでくれています。嬉しくてねえ。私もまだまだ張り切らにゃいけんと思っています(笑)


オールハウスさんとは、父の代からお付き合いさせていただいています。とても個性的な工務店だと思いますね。シックハウスに対して万全の対策をとっていることもそうですし、原田専務を先頭に若い社員さんが引っ張っているせいか、デザイン性も高い。うちも負けないような建具を入れたいと、つい力が入ります(笑)
建具に使う材料は檜、杉、ナラ、タモなど。家の床や壁とのバランスを考えて使い分けます。みなさんは建具にも調湿性があることをご存知ですか?うちで使っているのはすべて天然木だから、呼吸をしています。梅雨時には少し太って、乾燥する時期には少しやせるんです。
見た目の美しさを家に与えるだけでなく、家を健康に保つために生み出された建具は、すごい文化だと思いますね。その一端を担う者として、これからもいいものをつくっていきたいと思っています。



建具作りで一番肝腎なのは、木の質を見抜くということです。木には必ず生えていた時のクセがあって、それが建具になった後に曲がりやねじれとなって現れます。これを逆手にとって上手に組み合わせると、かえって強度のある美しい建具になります。それが建具職人の腕の見せ所なのです。
出来上がったばかりの家に建具を入れる時は毎回緊張します。なにしろ家の最後の総仕上げですから。せっかくの美女をますます輝かせるかどうかは、私たちの化粧の腕にかかっていますからね(笑)しかもオールハウスのお客様は家づくりにこだわりをもっておられる方が多いので、なおさらどきどきです。だから「私の思い通り!ありがとう」と言われた時は飛び上がりたくなるくらい嬉しいです。
それともうひとつ、私が肝に銘じているのは大工さんたちの仕事を引き立てる仕事をするということ。
オールハウスの大工さんたちは皆腕がいいのでね。納まりがすごくいいんですよ。それを見るとこちらも負けておれんと、気合が入るんです。大工さんは大工さんで、我々に笑われるような仕事は決してするまいと思っているでしょうしね。職人それぞれがそういう気持ちを持っていて初めて、いい仕事になるんだと思いますよ。